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黒子のバスケの漫画家・藤巻忠俊先生 ~漫画家としての原点から黒子のバスケ連載まで~


「黒子のバスケ オフィシャルファンブック CHARACTERS BIBLE」にて、週刊少年ジャンプで連載している「黒子のバスケ」の作者の藤巻忠俊先生が、漫画家の原点から黒子のバスケを連載している現在までのことについてインタビューをしています。そのなかから、面白いと思った部分をピックアップ。もしかしたら、漫画家志望の人の参考になるかもしれません。



漫画家の原点




藤巻: 中学生の頃に「ドラゴンボール」や「スラムダンク」のイラストを自由帳に描くのが流行っていたんです。それで僕も描いてたんですよ。ある日それを友達が買ってくれまして、一枚百円で。そのとき漠然とああ、絵でお金が稼げるんだなと実感しました(笑)。それが、きっかけといえばきっかけです。

- 漫画という形で初めて作品を描いたのはいつですか?

藤巻: 高校の時に漫研に入部して、まんが甲子園という大会に参加したのですが、そこで描いた作品が初めてです。身内ネタというか、僕自身をベースに脚色させた主人公が、漫画を描きながら「その漫画を描く意味」を自問する・・・という内容だったと思います。で、その時に賞をいただいて・・・

- 全国大会で入賞ですか?

藤巻: 僕の応募した部門は予選もありませんし、応募数も少なかったですから。でもそこで5万円くらい頂き、これはいよよ漫画家にならんと!と(笑)

- それが自身になり、進路がほぼ確定したのですね。

藤巻: 将来像は具体的に見えてきましたが、まだ漫画家を目指して走る覚悟もなかったので、大学に進学したんですよ。でも、いざ進学してみると何となく、卒業してから漫画を描いても遅いかもと不安になって。それで大学を中退して、読切を一本作って応募しました。

- 大胆な決断ですね!その時持ち込んだのが集英社ですか?

藤巻: 大胆というかアホです(笑)。そこで僕の初代担当になる人に見て頂きました。
自信作だったのでその作品を賞に応募したのですが、入賞にかすりもせず・・・。正直ちびりそうでした。
俺もう大学やめちゃったんだけどって(笑)




連載までの苦労の道のり




- 応募作は黒子のバスケの原型となるようなものでした?

藤巻: いや。ファンタジー作品です。このジャンルが好きだというものもありますし、ドラゴンボールなどの作品を幼い頃に読んでいた影響もありました。

- 当時、スポーツ漫画を描く気はなかったのですか?

藤巻: スポーツ、特に僕の好きなゴルフの漫画は最後の切り札だったんです。でもファンタジーに全く手ごたえがなく・・・。それで、満を持して描いたのがゴルフ漫画でした。

- バスケではなく、ゴルフが切り札だったのですか?

藤巻: 高校の頃、テレビで観ていて興味を持ち、大学でゴルフ部に入って完全にはまりました。千葉のゴルフ場でバイトするかたわら、コースを回ることもありました。バスケと同じで、人に誇れるほど上手くないです。

- そしてゴルフ漫画が成功するのですね

藤巻: 幸運にも賞の最終候補に残り、担当に「スポーツでいってみよう」と言われて描いたのが、「黒バス」の原型です。

- 赤マルジャンプに掲載された作品ですね

藤巻: はい。掲載にあたっていくつか手直しはしましたけれど。そこから本誌での連載までは非常に大変でした。アシスタントをしながら色んなパターンの「黒バス」を作っていました。
黒子の相棒がシューターだったり、黒子がやたら明るかったり。日の目を見なかったネームは無数にありますが、会議は全く通りませんでした。

- 連載が決まるまで、どれくらいの時間があったのですか?

藤巻: 1年ちょっとですね。担当に「黒子のネタっていつまで引っ張れるんですか?」と聞いたら「じゃあ、いっそのこと連載用に3話くらいつくってみよう」と言われて、そしたら会議に通りました(笑)

- いよいよ「黒バス」の連載が始まるわけですね。最初は苦労も多かったのでは?

藤巻: 苦労していないポイントを探すほうが難しいですよ!(笑) アシスタント経験が少なくて、仕事場のこととかスタッフとか、細かいことは全て手さぐりで始めました。
とにかく担当に言われるまま部屋を借りて、スタッフを集めて・・・。
あとは日々の仕事に追われるだけ。月日の経つのが早いこと早いこと(笑)




黒子のバスケの作り方




- 作業スケジュールについてお聞きします。ネーム、作画にかかる日数は?

藤巻: まず担当と打ち合わせをして、ネームに2~3日、作画に3~4日くらいです。週2日休めた記憶はありませんね。

- 話を作るときに、気をつけることは?

藤巻: 見せ場です。こんな絵を描きたい!というイメージがまずあって、そこに向けて話を作る感じでしょうか。読切を描いたときから、このパターンで話を作ることが多いです。
それに週刊連載ですから、毎週見せ場を作らないと飽きられてしまいますし。

- では、ストーリーを考えるよりも絵を描くほうが楽しい?

藤巻: どちらも面白いですが、強いて言えば絵を描く方が好きです。良いものができあがったときの手ごたえを、より掴めるのが絵なので。できた時はほとんどないですけど。

- では、キャラクター設定はどのように考えているのですか?

藤巻: 担当と話し合って色々な意見を出し合って、漠然とイメージを描きます。ただ、ビジュアル面から設定を作ることが多いですね。例えば緑間(キャラクター名)だと、メガネをかけているヤツ、青峰(キャラクター名)だと、肌が黒いヤツといった具合に。そこから細かいところを作ります。特に目のデザインから入ることが結構あります。

- 目が大事ということでしょうか?

藤巻: 黒子なんかだと、髪型は普通なわりに目の描き方をちょっと変えようというコンセプトでデザインを考えていったんですよ。赤司(キャラクター名)なんかも怖いという印象を強めるために、ああいう目になりました。

- 「キセキの世代」の名前には、「色」が入っていたりと、ネーミングにもこだわりが?

藤巻: 漫画的な演出効果を狙って、ネーミングにしました。特に「キセキの世代」に関しては、読者に覚えやすい名前にしたいと思いまして。誠凛の2年生も曜日で統一しましたが、こちらはまぁ、遊び心で・・・(笑)。気づいてくれたら嬉しいな、くらいの気持ちでした。

- ネーミングと言えば、黒子たちの必殺技の名前もインパクトが強いですね。

藤巻: 僕が最初にファンタジー漫画を描いていた影響だと思いますが・・・(笑)。技の見た目とか効果から連想して、辞書でそれっぽい名前を見つけてあてはめています。でも、改めて技の名前を見ると、バスケ漫画とは思えないものばかりですね(笑)




スラムダンクとの差別化


バトル漫画だとそこまで比較されないだろうが、スポーツ漫画だと、どうしても過去の大ヒット作と比較されて、自分の作品が下に見られてしまうところだが、藤巻先生にも考えがあった。



- 黒子のバスケを描く上での、テーマを教えてください。

藤巻: 大前提としてスラムダンクと違うことがやりたいというのがあります。ですので、とんでもない技も出すし、エフェクトも派手にしています。青みねの試合ではかめはめ波のようなパスもあります。

(中略)

けっこう漫画を描いていると、ありえんわコレ!ってセルフツッコミを入れています。あと、ツッこめる漫画のほうが面白いのではという考えが僕の中にあります。そのほうが、友達同士で話題にしてもらえますし。

- 最近の漫画はリアリティ重視のスポーツ漫画も増えています。あてその逆をいこうと?

藤巻: それもスラムダンクとの差別化のひとつです。ただし、物理法則を無視しないというルールは決めているんです。青峰のゴール裏からのシュートとか、現実でも100本に1本くらいは入る可能性はあるんです。ただ青峰はそれを100%決めることで突出した存在にさせています。

(中略)

ほかには、分身しているような演出はアリだけど、本当に分身するのはナシとか。ボールが直角に曲がるのはやめようとか。

- インターハイよりウィンターカップを中心に描いていますが、これもスラムダンクとの差別化でしょうか?

藤巻: それ以上に、ウィンターカップの規模が近年非常に大きくなっているので、こっちをメインにしたいという気持ちが僕の中で強かったんです。ただ、黒子たちを青峰に負けさせたかったので、自然とウィンターカップになったのもありますね。



強いて言えば、あえて、逆を突くといったところだろうか。


今後




- では、バスケ以外に描きたいテーマは何でしょうか?

藤巻: ゴルフ漫画はぜひとも描きたいですね。あとはファンタジーにも再挑戦してみたい。僕はもともとスタートの時点でレベルが非常に低かったので、色んなジャンルに朝鮮して成長していきたいと思います。

- 気になる今後の「黒バス」ですが、ヒントだけでも教えてください。

藤巻: 基本的には大団円を目指して考えています。でも、どうせ勝つんでしょ?と思われているんなら・・・

- 負けることもある?

藤巻: そうですね。「どうせ勝つんでしょ」と言われると、負けさせたくなるので(笑)。ただいずれにしても、読者に楽しんでもらえることを第一に考えて描いています。



冨樫義博氏との対談の要点の書き起こしはこちらでも描いています。

冨樫義博の漫画の作り方
http://culblo.blog.fc2.com/blog-entry-2.html


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